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医療系テーマを論述するヒント
By admin | 6月 25, 2008
小論文課題の中には、実体験に基づく課題文が与えられており、それを踏まえながら「生身の人間とは何か」を考察し、それに対して、将来、医療に従事する者としてのあなたの主張を示すよう求められる出題があります。
そうした課題文において、真の意味で重要なのはどのようなことでしょうか? 「患者に対し、単なる体としてではなく、精神を持つ存在として接しなければならない」というのは至極妥当な考えと言えるでしょう。しかし、単にそれだけでは、課題文の内容を充分吟味したとは言い難いでしょう。何故なら、そういった考えは、比較的広く受け入れられている一般論として存在し、認識されている類のものであり、課題文に接しなくとも記述可能なことだからです。では、どのような考察が課題文を活かすものとなるでしょうか?
まず、今一度課題文の内容を確認しましょう。著者は、糖尿病の患者としての実体験を元に医療現場における患者の心理を紹介しています。登場人物としては、筆者、そして若い医者と年配の医者、三人です。
著者は最初に若い医者とのやり取りを述懐しています。ここで若い医者は、著者に対し、物に接するように接しているでしょうか? 決してそうではありません。糖尿病の重大さを訴え、「足を切断した重症患者をみせて教えてあげようか」と述べています。ですから一応は、人として接しているわけです。次に、年配の医者の接し方はいかがでしょうか? 基本的に医者として治療面ですべきこと、いざとなれば言うべきことに対する認識に大差は無いと言えます。しかし、その接し方に若い医者との経験の差が現れていることが読み取れますね。一般的に「人間」というのではなく、「生身の人間」に接するとはどういうことか、この医者はわきまえているわけですね。ここでひとつ、問いを考察しましょう。
問 ここで言う「生身」に込められたニュアンスとは何であろうか?
ひとつのキーワードとして著者は「欲望」という語を挙げています。人は機械ではないので、知識や情報に基づいて100%行動できるわけではありません。課題文に示されているように、「わかっていても実践できない」こともありますね。逆に考えれば、「実行できていないからといって、わかっていないわけではない」ということもあるということであり、それも著者が述べる通りです。もちろん、多分に感情面からの観点であるとは言えるわけですが、それも含めて「生身」を相手にするとはどういうことか、が考察できます。
当然、医療に従事する側の人間も「生身」であるわけですから、欲望や感情の心理状態は十分承知のうえで、医療を行なう者として患者に対峙する必要があるわけですね。そこまで考えていくと、「生じる問題をどこまで引き受けることができるか」という問いを、患者の心理状態の把握とそのフォローにどこまで関わりを持ち、どこまで責任を持つことが出来るのか、という視点からも考察できるのではないかと思われます。
「誠意と信頼」という理性の上に立った関係から、もう一歩踏み込んで、患者と医療従事者との間にどのような感情の共有があるのかを探ってみましょう。
Topics: 小論文の書き方ポイント |
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