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条件命題へのアプローチの具体例
By admin | 11月 22, 2008
2つの正しい命題があい矛盾するとき、それをどう裁くかという、なにやら論理学や修辞法のようなユニークな問題の立て方も考えられます。
設問に「ここで問題になっている点は何かを明らかにし、」とあるのに対して、あなたがは「ここで問題になっていることは、・・・どちらも言っていることが正しいことだ。」と答えたような場合です。
しかしそうした場合、一般的には一定の条件下においてのみ正しい「条件命題」という場合がほとんどのはずです。
具体例の一つとして病院でよく見かける例を参考にしてみましょう。この場合は「待合室の中」という条件と、赤ちゃんが煙草を吸っている母親の子どもだということが条件になります。そしてこれらの命題の矛盾点は、1つが個人の自由と嫌煙権との矛盾、2つめは親権と子どもの人権との矛盾ということだと思います。
前者は公共の空間においては個人の自由すなわち私権にも一定の制限がともなうことを、後者は子どもの基本的人権が損なわれるような場合は、親権を越えた社会の介入がありうることを示唆しています。嫌煙権への配慮から喫煙コーナーが設けられたりしているのはよく目にしますね。児童虐待の問題で児童相談所の係員が親から子どもを取り上げるようなケースがあったのもご存知でしょう。親の言い分を信じたために子どもを死なせてしまったことへの痛切な反省からです。いずれも最近新聞紙上などでよく話題になっていますからあなたもそれらの記事を目にしていろいろと思ったこともあるはずです。こうした設問の事例と関連する他の事例も交えながら、当事者たちのとるべき態度やその是非について考えてみてはどうでしょう。
ただどちらかが正当だとしても強制力がなければ現実は何も変わらず、是非を問うこと自体が無意味になります。法律なら警察や司法当局の力によって強制することが可能ですが、設問のような例だとそうはいきません。もし男性がやめろといって母親から煙草をとりあげようものなら暴力をふるったとして逆に訴えられるでしょう。だから結局はこの男性はすごすごと出て行くしかないのかもしれません。そう考えていくと、この設問でいう「問題になっている点」の3つめとして規範の強制力という問題があるといえます。
昔は当局による強制執行をとらずとも社会的な共通規範があって、それが有形無形の影響力を持っていました。それが希薄になった今、両者の対話による理解や、第三者による調停によってしか解決の道はないといえます。あるいは両者が接触しなくて済むような”すみわけ”の環境を作ることです。男性の嫌煙権を保障するには喫煙コーナーを設置することで一応の解決策になるかも知れませんが、赤ちゃん対策としてはガラス張りのベビー・コーナーを作りでもしなければ難しいところです。確かに非現実的かもしれませんが、あきらめることが一番よい解決方法というのも釈然としませんね。
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